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「英仏百年戦争/佐藤賢一」を読んでいます [西洋史]


英仏百年戦争 (集英社新書)

英仏百年戦争 (集英社新書)

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 新書


この本、目からウロコでした。

百年戦争と三十年戦争、薔薇戦争など、ヨーロッパの中世には、誰が誰だか、どこがどうだか、混乱してしまい、自分が出会った小説の内容だとか、漫画化された作品を読んだとか、そういう影響が大き過ぎて、都度、これは?となります。

この「英仏百年戦争」を読むと、もう初っ端から、この時代にイギリスという国という概念はなく、フランスも国というよりは、諸侯と王家の混成軍であったとあるのですよ。

つまり、初期においてはフランス王家のお家騒動みたいなものが、イングランドも飛び地のように占領していくというもので、登場人物はすべてフランス語を話していたフランス人の戦いであったというのです。

ヘンリー5世くらいから英語を話し、イングランドが国らしくなったようです。

アンリがヘンリーで、ジャンがジョン。リシャールがリチャードで、ウィリアムがギヨーム。同じ人物がフランス語と英語で表記されると更に混乱。ノートに書いて整理したいくらいです。しないけどね。

でもって、わたしがパリでほっとしていた「パッサージュ・ジョフロワ」の「ジョフロワ」という人物まで出てきて、そっかー人名だったのかー、と思ったり。

外様のような存在の各地方をまとめ上げて中央集権国家が出来上がるのが、もうちょっと経ってからのことなんですよね。
佐藤賢一さんの小説をちょっと読んでみようと思います。
このヒトは、歴史家なのか小説家なのか、すごく面白い立ち位置です。
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コメント 2

ペニー・レイン

こんばんはー。

>名前
私、こーいうの好き!
キャサリンは、カトリーヌで、
ロシアに行くとエカテリーナざますよ、素敵。

まー、私らの名前も中国読みくらいはできるでしょうが。

百年戦争だと、”黒太子”とか出てきません?
なんじゃらほい?と思います(笑)
by ペニー・レイン (2008-12-21 23:53) 

ロンリコ

黒太子=ブラック・プリンスことエドワード三世の息子のエドワードざんすね。彼は、王にならずに病死しちゃったからプリンスのままなんだろうね。

平均的イギリス人の認識としては、黒太子で勝利したところで終わっているので「百年」戦争ではないらしいです。

「歴史は、フィクション」というフレーズが、新鮮でした。
結構、後世に脚色が施されたりしてんだよね。
この頃、新解釈とか、日本史でもあるし面白いです。
by ロンリコ (2008-12-22 14:27) 

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