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「双頭の鷲」佐藤賢一著 [本、雑誌]

知らなかったね、こんな個性的な英雄がいたなんて。

双頭の鷲

双頭の鷲

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 単行本


ジャン・コクトーに同名の作品があって、美輪さんがお芝居でやってたりしてんだけど、全然違ったストーリーです。

百年戦争の初期は、イギリスの黒太子が活躍していて、へたれなフランス王がポワティエの戦いで惨敗して、人質に取られたりしていたのでした。

歴史の教科書だったら、あっさり数行で終わっていたところなのですが、イギリス軍の長弓での攻撃、回り込まれてのフォーメーションなどにフランス軍が勝てずにいたなんて、行間あり過ぎです(笑)。

戦争での戦い方って、大河ドラマとか、歴史映画で見ると、わーって、歩兵とかが向き合ってぶつかって戦ってるシーンしか想像できなかった。

先日「レッド・クリフ」を見て、盾を使ってのフォーメーションをヴィジュアルで見て、戦争ってすごいなあと思ったばかりでした。

佐藤賢一さんの書く小説は、戦い抜きにしては語れないモノばかりで、連続して読んでいると、投石器にも大小があって、それで砦をズゴーン、ズゴーンと崩していって、みたいな記述があったりで、過去にあった戦いを知るひとつの手立てになりました。

この主人公も、こりゃまた破天荒で、実在の人物ながら、ここまでマンガチックか?と思わせる設定でした。

奥さんになった女性が、夫のスペインへの遠征中、ずっとモン・サン・ミッシェルの館で、夫の星占いをしながらじっと耐えて待っているというのが、あの地が、画面で見るより(世界遺産ですごい人気だもんね)、吹きさらしで厳しい土地なだけに切ない思いでした。

モン・サン・ミッシェルは、ロマンチックな城じゃあないんです。
修道士が、岸から石をひたすら小船で沖の小島に運んで作り上げた「忍」の孤独な城なんです。

時代によっては、牢獄だったこともあります。

フランスツアーっていうと、モン・サン・ミッシェルに行きたいってヒト多いですけど、殺伐とした石の修道院ですよ、起源は。
いや、お勧めじゃないと言っているのでも、行くべきでない、と言っているワケじゃあないんです。

「行ったけど、なんもなかった。」
「オムレツ、そんなに美味しくなかった。」
って、行く前に解れよ、と老婆心はつぶやくのでした。

あ、双頭の鷲ね。
これは、ヒトには何か才能があって、伸ばしてくれ、認めてくれる仲間がいかに必要かっていうお話でした。



続けて、佐藤賢一さんの本を読みすぎて、ちょっと休憩することにしました…。
タグ:佐藤賢一
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