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【パリからの旅】六日目後半:ナンシー~パリ [アール・ヌーヴォー]

寒いのは、北国生まれで北国育ちだから平気なことは平気なんだけど、せっかくの異国の地で、冷たい雨に降られたり、風に吹かれたり、石造りの道路から底冷えする冷たさを足元から感じる時、もう一ヶ月早く旅立てばよかったと強く切実に思うのだった。

しばしば、見知らぬ町の、見知らぬ小路で、「わたしは、なんでここにいるのだ」と自問し、「そうだ。わたしは、この風景を見るためにここに来たのだ。」と自答していた。

ナンシーは、また、訪れる。願望ではなく、確定の未来である。

駅の反対側は、しっとりとした静かな住宅街で、地図を見ながら歩くのだがとても心もとない。
ただ、時折ガイドに示されたアール・ヌーヴォー様式の建造物にちゃんと出会うと、地図の見方は合っていると安堵するのだった。
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とりあえず標識はあるのだ。行きたい方向かどうかは、よく解っていないんだけど。
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パーツに、アール・ヌーヴォーを感じるのだが、もうちょっと濃くもいいかな?と思ったり。
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ただ、ある角を手前から進むと、どうやら家全体が凝った造りになっているみたいだ。
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うん、こりゃ、濃いわー。
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全体に施されると、ちょっと濃いのかもしれない。
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だって、通りの名前にもなっている「ルイ・マジョレル邸」なのだから。
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彼は、エミール・ガレと共に、アール・ヌーヴォーの家具の作家として名を残している。
マジョレル邸が、ここなのだから、と地図で確認し、次は、ナンシー派美術館を目指す。ここは、ナンシー派のパトロンだったゴルパンの私邸を改装した建物なのだが、撮影は禁止されている。庭から、後ろっぽい感じの館を撮ってみた。
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二階建ての館は、入口に、白鳥の装飾で有名なピアノを置いた部屋があり、随所に、家具やガラス工芸品が置かれている。パリ万博に出品された作品だったのか、よく、図録で見かける「フランスの薔薇」など名品が展示されている。

そうそう、蛾みたいなモチーフのベッドもありました。
この屋敷だからこそ、だろうね。
ちなみに、アール・ヌーヴォーの作品は、ナンシーまでこなくてもパリの装飾美術館にもたくさん展示されています。
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階段のスペースに、立ち枯れた植物がオブジェのように飾られていた。庭にあったこの植物かもしれない。
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こういった植物や虫、小動物、魚などをデフォルメしたり、意外な組み合わせで、何度も手法を変え、付け加えて、作品が作られている。庭の風景を見ては、すべてがモチーフなのかも、と思ったり…。
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思うに、あまり生命力に溢れた季節でないくらいがこれらの作品に近い雰囲気を持っているのかもしれない。
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庭には、「パコと魔法の絵本」のような小さい池や、サンルームのような離れがあった。
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これは、誰かの像だ。誰だっけ?ガレではないはず。
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庭の奥に、お堂のような建物があった。
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中に入るとステンドグラスが綺麗なんだろうなあ。
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お、わたしに気づいたの?睨まないでくり。
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すっかり世紀末に浸った後で、もう一度駅前に向かい、見残していたパリバ(銀行)の建物を見に行く。
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普通に本日も営業中なのです。日銀みたいな感じ?

もう一度、スタニスラス広場へ行ってみる。
何せ、premsという切符は、空いている電車に合わせて設定されているのでまだ時間があるのです。お茶でもすればよいのに、どこに入ろう~と迷ってばかり…。
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なんだか、ガレにしても、この門の装飾にしても、「死」を連想させるのだが、わたしだけ?ちょっとお仏壇っぽいの。

観光局のウインドゥにマカロンの解説がありました。
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こんな風に紙に敷いて焼いたまま販売されているのよ。
こっちが今風の、おされなマカロンですね。
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駅前の、Lefevre-Lemoine(ルフェーヴル ルモワーヌ?)に入ってみた。
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昔ながらのお菓子屋さんといった風情。
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ごっつくて、しっかりしたお菓子がたくさんありました。
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どうしてこんなに可愛いおもちゃみたいな缶とかあるんだろう。
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なんかさ、お饅頭を包んだみたいな包装がとっても地元感があって一番小さい包みのマカロンを買いました。右のレトロな缶には、ベルガモットのキャンディが入っています。これも、ナンシーの名物です。シンプルでいて、ちょっと異国風なベルガモットの香り。何故、この地で柑橘類の香りが根付いたのだろう?南国への憧れ?

そうこうしているうちに、TGVの出発時刻になり、やや混み合った車内に入り、もう真っ暗になった車窓を眺めて、また来なくちゃと思ったのでした。

パリに戻って、17:45。あたりは真っ暗。お昼にたっぷり食べたので、スタバでカフェラテを買い、パッサージュのヴァランタンでキッシュを買ってホテルで夕食。充実した一日でした。

フランスに来て初めて21時過ぎても眠くない。
やっとカラダが慣れた頃に帰国なのだ。
荷造りして、おやすみなさい。
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